セキュリティ人材育成の取り組みの1つとして注目を集めているセキュリティコンテスト Capture The Flag(CTF)をSlack上で実施できるシステムを開発した、という研究の紹介です。
文献情報
- 著者: 山下, 谷口
- 題目: Slackを用いた初学者向けのCapture The Flag演習システムの開発
- 雑誌: 情報処理学会論文誌
- 出版: 2024年7月
- DOI: https://doi.org/10.20729/00237185
研究概要
大学生活や日常でITが欠かせない今、サイバーセキュリティの知識やITリテラシーは非常に重要なスキルとなっています。そんな中、ゲーム感覚でセキュリティの技術を競う「CTF(Capture The Flag)」というコンテストが世界中で注目されています。これは、問題に隠された「フラグ(答え)」と呼ばれる文字列を探し出してポイントを競う、いわばセキュリティの謎解きゲームです。
しかし、初心者にとってCTFは「専門知識が必要で難しそう」「アカウント登録などの準備が面倒」と、心理的なハードルが高いのが現状です。実際、情報系の学部であってもCTFの知名度はまだ低く、存在すら知らない初学者も多くいます。そこで「普段からみんなが使っている環境で、もっと気軽にCTFに取り組めないか?」と考えたのが、この研究の背景です。
この論文では、多くの大学や企業で日常的に使われているコミュニケーションツールSlackの上で、クイズ形式のCTFができるシステムを開発しました。このシステムには、初学者が気軽に始められる工夫が詰まっています。
- メッセージで簡単挑戦:問題がSlackのメッセージとして届くため、普段のチャット感覚で馴染みやすいです。
- みんなで楽しく解ける:Slack内で簡単にチームを作ることができ、メンバーとチャットで相談しながらイベント形式で競い合えます。
- 毎日コツコツ続けられる:指定した時間に自動で問題が出題される機能もあり、自分のペースで学習を習慣化できます。
実際に大学生たち(約8割がCTF初心者)に試してもらった実験では、「チャットしながらできて楽しい」「馴染みやすい」と大好評でした。 難かしい専用ツールを新しく導入するのではなく、みんなが毎日開くSlackをそのまま学びの場に変えてしまう、初心者の「はじめの一歩」を優しく後押しする研究です。
(本記事の文章の校正と画像生成にGeminiを使っています。正確な情報は文献を参照ください。)
