研究紹介:養殖魚同士の通信に基づくマルチホップ型データ収集手法 (2018)

養殖魚に取り付けられた端末同士でデータをやり取りすることによりマルチホップでデータを収集する手法の紹介です。

文献情報

  • 著者: K. Ishida, Y. Taniguchi, N. Iguchi,
  • 題目: A routing method for fish farm monitoring under short transmission range condition
  • 雑誌: IEICE Transactions on Information and Systems
  • 出版: 2018年8月
  • DOI: https://doi.org/10.1587/transinf.2018EDL8038

研究概要

魚の養殖を効率化するため、魚の体に小さなセンサーをつけて健康状態をチェックするシステムの開発が進められています。しかし、水中は電波が非常に届きにくく、また、光や音を使用するにしても魚への影響により出力を強くできない可能性があります。その結果、大きな生簀を使用する場合に、生簀の大きさに対してセンサーの通信距離が小さくなり、センサーから生簀に設置された受信機まで直接データを送ることができない場合が発生することが想定されます。

そこでこの研究では、魚の「群れで泳ぐ習性」と「泳ぐ向き」を通信に利用する方法を考えました。具体的な仕組みは以下の通りです。

  • リーダーを決めてデータ回収:一部の魚のセンサーがランダムに「リーダー」になり、近くを泳ぐ仲間のデータをまとめて預かります。
  • 下向きに泳ぐ魚へバケツリレー:センサーで魚の泳ぐ向きを感知し、生け簀の「底(下方向)へ向かって泳いでいるリーダー」を見つけたらデータをリレーのように渡します。
  • 底の受信機へ送信:データを託されたリーダーが底に近づいたタイミングで、受信機へまとめてデータを届けます。

シミュレーションで実験した結果、Delay/Disruption-Tolerant Networking (DTN) で使用される従来の方法よりも無駄な通信電力を大きく減らし、効率よく安全にデータを集められることが明らかになりました。

関連リンク

(本記事の文章の校正と画像生成にGeminiを使っています。正確な情報は文献を参照ください。)