研究紹介:LEDによる可視光通信を用いた養殖魚データ収集手法 (2019)

養殖魚に取り付けたLEDと生簀に設置した水中カメラを用いてデータを収集する方式を検討したものになります。

文献情報

  • 著者: Y. Taniguchi
  • 題目: A system for monitoring farmed fish via LED-based visible light communication
  • 雑誌: IEEJ Transactions on Electrical and Electronic Engineering
  • 出版: 2019年11月
  • DOI: https://doi.org/10.1002/tee.22996

研究概要

クロマグロなどの高級魚を効率よく育てるため、魚自身に小さなセンサーを取り付けて健康状態や行動を観察する技術が注目されています。しかし、従来の水中通信で使われる音波は消費電力が大きく、小さなバッテリーでは数年間動かし続けるのが難しいという課題がありました。そこで本研究では、音波の代わりにLEDの光を使った、以下のような通信(可視光通信)システムを提案しています。

  • 魚にLEDを取り付ける:フルカラーLEDがついたセンサーを魚に装着し、計測データを「光の色」に変えて送信します。
  • いけすの底からカメラで受け取る:いけすの底に全方位カメラ(360度撮影できるカメラ)を設置し、映像を解析してデータを受信します。

LEDを光らせるだけなので、音波通信に比べて消費電力を大幅に抑えられると考えられます。また、カメラなら複数の魚の光を同時に撮影・識別できるため、通信の衝突を防ぐ複雑な制御が不要で、装置を安くシンプルに作れるメリットもあります。

一方で「他の魚が邪魔になると光が届かない」というデメリットがあります。そこでコンピュータ上のシミュレーションで通信の成功率を調べたところ、以下のことが分かりました。

  • 魚が増えたり大きくなると受信率は下がる:魚の影ができやすくなるためです。
  • カメラを増やすと大幅に改善する:底に置くカメラを1台から4台に増やすと、受信率は36%から77%へと大きく上がりました。
  • 深い場所にいる時が送信のチャンス:カメラは底にあるため、魚が深い場所を泳いでいる時ほど影になりにくく、データが届きやすくなります。

今後は魚が深場に潜ったタイミングでデータを送るといった工夫を取り入れることで、省エネで効率的な養殖モニタリングの実現が期待されています。

関連リンク

(本記事の文章の校正と画像生成にGeminiを使っています。正確な情報は文献を参照ください。)